リースバックのメリット・デメリット|伊藤忠ハウジングマガジン

リースバックは「売却後も住み続けられる」というメリットが見られがちですが、デメリットと考えられる面も持ち合わせています。

本記事では、リースバックの5つのメリットと3つのデメリットを解説します。

執筆者

西 健悟

伊藤忠ハウジング株式会社 取締役 経営管理グループ長

1989年入社。不動産流通部門において法人営業を担当し、事業用不動産仲介を実施。また営業企画部門において首都圏、関西圏のマーケティングを担当し、デベロッパーに対し、新築マンションの市場調査・提案を行う。近年は、リテール仲介の強化を目的に、リノベーション仲介を行うと共に新たな資産活用の方法であるリースバックによる取引を見込み、早くから金融系や不動産系のリースバック会社との連携を強化。郊外の一戸建てから都心タワーマンションまで幅広いリースバックの実績がある。

リースバックの仕組み

リースバックとは、売却後も住み続けられる不動産売却方法です。

リースバックの仕組みはこちらの記事でも詳しく解説しておりますので、よろしければご覧ください。

“売却するのに住み続けられる”という仕組みから「転居はしたくないけど、まとまった資金が必要」という方に適した売却方法だといえるでしょう。

ここからは、リースバックのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。

リースバックの5つのメリット

リースバックのメリットは、次の5つです。

1.転居不要

一般的な方法で不動産を売却すれば「転居」は必ず伴います。基本的には、空き家の状態で買主に引き渡さなければなりません。

しかしリースバックでは、売却後、売主が借主に、買主が貸主になり、そのまま住み続けることができます。

近隣の方や親族に、家を売却した事実を知られることもありません。ご家族の生活環境も変えることなく売却できます。

2.売却代金が一括で受領できる

転居不要とはいえ、リースバックも不動産売却には変わりません。売却時には、対価としてまとまった資金を受領できます。

今のライフスタイルを楽しみながら、住宅ローンの繰上げ返済も可能です。

3.資金使途に制限なし

不動産担保ローンやリバースモーゲージのような「借り入れ」ではありませんので、資金使途に制限もありません。

旅行、リフォーム、進学資金にも活用できます。豊かなセカンドライフのためにご活用ください。

4.家賃以外の費用がかからなくなる

売却後は「賃貸」となりますので、家賃がかかります。

その一方で、所有中に納めていた固定資産税や都市計画税、さらには住宅ローン返済や金利負担、管理費・修繕積立金などの費用負担は一切なくなります。

5.買い戻しが可能

リースバックでは、一定期間後に賃貸中のお住まいを買い戻すことも可能です。

買い戻す際にももちろん転居は不要ですので、ご自宅に住んだまま売却し、再び所有権を取り戻すことができます。

リースバックの3つのデメリット

「資金難」にある方や豊かなセカンドライフを送っていただくために有効的なリースバック。しかし、デメリットもあらかじめしっかり認識しておきましょう。

1.所有権がなくなる

自宅に住み続けられるとはいえ、リースバックでは所有権が買主に移行します。

所有権がなくなることで住まいにかかる税金や費用がなくなり「家賃」に一本化することはメリットとなりますが、次のようなリスクが考えられます。

  • 第三者に転売されてしまう
  • 家賃が引き上げられる
  • 買い戻しできない

すべて「可能性」の話ではありますが、契約次第では、賃貸借中に意図しないことが起こってしまいかねません。

2.売却金額が相場より安い

リースバックによる不動産売却では、相場価格より安く売却にいたることが一般的です。

買主にとって「売主に貸し出さなければならない」ことは、大きな制約となります。また、買主となるリースバック会社は、売主との定期借家契約終了後、主に再販売することを目的としています。

再販売には、リノベーション工事費などもかかるため、将来の再販売価格を想定したコンサバティブな買取価格(=売却価格)となります。

3.賃料は相場より高い

リースバックでは、売却金額が相場より安くなるだけでなく、賃料は相場より高い傾向にあります。

リースバックにおける賃料は「相場」ではなく「売却金額(買主からすれば購入金額)」を元に算出するのが一般的です。

リースバック物件に限らず、賃貸物件(収益物件)は「購入金額に対する家賃収入」の割合を重視します。この割合のことを「利回り」といいます。

リースバック物件の利回りは10%前後が一般的です。つまり、売却金額を10で割った金額が年間賃料の目安となります。

リースバックのデメリット・トラブルの回避策

トラブルを回避するためには、リースバックのデメリットをあらかじめ認識し、事前に契約内容を確認することがなにより大切です。

売買契約書、賃貸借契約書をよく確認し、必要に応じて複数のリースバック会社の売却価格や賃料等、比較するようにしましょう。

伊藤忠ハウジングでは、お客様のニーズに合ったリースバック会社を選定しご紹介します。売買契約書や賃貸借契約書の内容についても確認・サポートいたします。

リースバックで起きる可能性のあるトラブル事例とその回避策は、下記の記事でまとめております。

リースバックのメリットのみならずデメリットも知ることが大事

リースバックは、売却後も住み続けられるという大きなメリットがある一方、デメリットも存在します。デメリットを含めて、今のご自身、ご家族にとって友好的な不動産売却なのか、今一度、検討してみましょう。

伊藤忠ハウジングでは、 リースバックに関する売買契約に加え、賃貸借契約についてもアドバイスいたします。 リースバックのデメリットに不安を感じている方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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