新築分譲時の販売ノウハウは中古マンション売却にどう活きてくる?|伊藤忠ハウジング社員インタビュー①

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伊藤忠ハウジングは長きにわたり伊藤忠ブランドの新築マンションを販売してきました。新築の「クレヴィア」「イトーピア」を販売したノウハウや情報、反響は、中古になってから売却するときにも活きてまいります。

今回は、実際に新築マンション販売と中古マンションの仲介をしてきた伊藤忠ハウジング流通営業部の倉津と添田の2人に、中古のクレヴィアやイトーピアの売却における新築分譲時の販売ノウハウの活かし方についてインタビューしました。

お話を聞いた人

伊藤忠ハウジング 流通営業部流通営業課
倉津 崇宏

伊藤忠ハウジング 流通営業部流通営業課
添田 知宏

新築販売をしてきた伊藤忠ハウジングだからこそできる仲介がある

—新築分譲時のノウハウをどのように中古マンション売却に活用する?

倉津 新築マンションを販売させていただくにあたって、弊社では、営業担当者の理解を深めるため「勉強会」を開催しています。マンションの立地特性や商品特性について、建設会社や管理会社、機器メーカーさんなどが2日間にわたってレクチャーするものです。弊社が販売させていただいた「クレヴィア」や「イトーピア」、あるいは他社さん分譲のマンションについては、構造や設備、建材にどんな特性があるのか、営業担当者が熟知しています。

添田 中古マンションを売るときに、1つの物件をここまで細かく知ろうとする不動産仲介会社はありません。また、そもそも「できない」ということもあるでしょう。マンションの建築会社や設備のメーカー全てにレクチャーをお願いすることなんてできませんからね。新築分譲時に培ったこれらのノウハウは、中古物件を販売するときにも活きてきます。新築分譲時と同様に、買主様に対して、上辺だけの知識による訴求ではなく、構造や設備の詳しい説明をさせていただけます。

—中古マンションの構造や設備を気にする買主様は多い?

添田 近年はとくに、よく勉強して物件選びされている買主様が増えている印象があります。マンションの構造面や設備の機能を気にされる方も増えています。こういった買主様に対しても、伊藤忠ハウジングなら、より深く、より細かいお話をさせていただけます。

—「新築販売」と「仲介」の連携体制は?

倉津 中には、「新築販売」と「仲介」の部署を明確に分けている不動産会社もあると思います。弊社では、2つの部署に垣根がなく、密接に連携して業務にあたっています。当時、新築販売時に携わっていなかった担当者も、当時のデータや情報はいつでも見に行ける状態になっていますし、実際に販売した担当者がサポートする体制も整っています。

添田 新築時に販売した担当者に査定に同行してもらったり、説明に来てもらったりすることは日常的にあります。新築販売と仲介、どちらも経験しているスタッフも多くいます。新築販売と仲介という2つの業務を明確に分けていない不動産会社は、少し珍しいかもしれません。しかし、この体制こそが、新築分譲時ノウハウを中古販売に活かすにあたって非常に奏功しているように思いますね。

マンションをより深く知っているということは「適正な査定」にもつながる

—そもそも、マンションの「査定」ではどんなところを見る?

添田 基本的には、周辺の売り出し事例や過去の成約事例を基に、査定額を算出します。昨今ではマンション価格が著しく高騰していますが、このような市況感も査定には反映します。

倉津 先日、中古の「クレヴィア綱島」の仲介をさせていただきました。査定に伺ったときにわかったのですが、売主様が気が付かれていないキッチンの機能がありまして。クレヴィアでは「収納脚立」や「ホーロー底板」「どこでもラック」など様々な機能が備わった、弊社オリジナルの「モット・キッチン」を採用しています。ただ、売主様がすべての機能を把握していないこともあるわけです。分譲時にはもちろんご説明させていただいていますが、使わなかったら忘れてしまいますからね。キッチンだけではありません。伊藤忠ブランドのマンションには、非常に充実した設備やセキュリティが備わっていますが、売主様がすべてを把握されているわけではありません。私たち伊藤忠ハウジングは、売主様が気付いていないマンションの「価値」や「魅力」も知り尽くしています。他社さんでは見逃してしまうようなプラスの価値も査定に反映させていただきますし、買主様にお伝えすることができます。

クレヴィア綱島「モット・キッチン」

添田 伊藤忠ハウジングには、分譲時の設備のCGパースや映像などの資料もありますので、設計の意図から造りまで、事細かく熟知しています。「売主様以上に詳しい」というのは、査定にも、売却にも活きてくることだと思います。

—「査定額」はマンション売却においてどのように影響するもの?

倉津 「査定額が高い」ということで不動産会社を選ぶ方もいらっしゃると思いますが、査定額というのは売却戦略を練るうえでの指標となるものです。高額査定であればいいということではなく、適正な査定額を基軸とし、売りたい価格や期間に応じた価格設定をされるべきだと思います。

添田 「査定額」と「売り出し価格」は分けて考えるとよろしいのではないでしょうか。お客様が売りたいタイミングによって、売り出し価格は変えるべきです。弊社では、2つの価格をご提案させていただいています。1つは、3ヶ月以内で売り切りたい場合の価格。こちらは、いわゆる「相場」です。そして、もう1つは売主様のご事情やご意向を踏まえた金額です。たとえば「新築マンションを購入したから今のマンションを売りたい。新築の引き渡しは1年後」という売主様であれば、この期間内で最も好条件で売れると考えられる販売スケジュールと金額をご提案します。

—「都心」「ブランド」ならではの売却時のポイントは?

添田 都心ではとくに、中古マンションの申し込み時に値引き交渉を受けるのが常といったところがあります。そのため「売りたい金額+α」で売り出すこともご提案しています。

倉津 都心でマンションを探されている方はとくに、ご購入に伴って色々と勉強されている印象があります。また、都心は競合となる物件が多いものです。購入申し込み時に、新築分譲時の価格や競合物件の価格を引き合いに交渉される買主様が多いように思います。もちろん、必ずしも「売りたい金額+α」で売り出すべきということではありません。これも、適正な査定があってこそできる戦略の1つだということです。

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